更年期時のその症状、GSMかも…?!

閉経後女性の約半数に、何らかの外陰・膣・尿路症状があるといわれています。

  • デリケートゾーンの不快感(乾燥・ヒリヒリ・かゆみ)
  • 尿トラブル(頻尿・尿失禁・くりかえす膀胱炎)
  • 性交時トラブル(性交時のうるおい低下・性交痛)

⇒これらは「閉経関連泌尿生殖器症候群:GSM」と呼ばれます。

エストロゲン欠乏により起こる症状

女性ホルモンが減ってくると、性器・尿路に様々なトラブルが生じます。

血流および膣分泌の減少

  • 末梢血行減少により栄養機能が低下
  • 繊維芽細胞が減り保水レベルが低下

膣粘膜上皮の形態学的な変化

  • 上皮が薄くなり血流が低下し、外傷を受けやすくなる
  • コラーゲン減少により、膣粘膜のひだが扁平化する

乳酸桿菌の減少と膣pHレベルの上昇

  • 上皮細胞のグリコーゲンが減少し、膣内の酸性を保つ乳酸桿菌が減少する為、pH値が上昇し、細菌の生成を助長

膣・外陰部の組織がやせて、
潤いが減るために生じる様々な症状=GSM

GSMの治療方法について

GSMの治療には2種類の方法があります。

エストロゲン補充

  • 全身ホルモン補充療法
  • 局所エストロゲン療法(膣錠・クリーム)

非ホルモン療法

  • 保湿剤(普段のお手入れとして重要)
  • 潤滑剤(性交痛のある場合、性交時に)
  • 膣ダイレーター・バイブレーター(膣萎縮があるときの性交痛対策)
  • 炭酸ガスレーザー(モナリザタッチ®)

全身ホルモン補充療法について

  • その他の更年期症状を伴う場合、一緒に改善する
  • 性器出血・胸の張りなどが生じる
  • エストロゲン単独補充長期継続で子宮体癌リスクが上昇する
  • 高齢で動脈硬化が疑われる場合、血栓症リスクが高まる
  • 乳癌既往のある人には使えない

局所エストロゲン投与について

  • 子宮体癌・血栓症などの全身リスクを上昇させない
  • 膣錠の場合、挿入が苦手な人がいる
  • 粘膜炎症を伴っている場合、膣錠やクリームの刺激痛が出る場合がある

当院でも実施可能な「炭酸ガスレーザー治療」について

レーザーの熱刺激で新しくコラーゲン産生し、組織を作り直す治療です。

炭酸ガスレーザー治療の特徴

  • 痛みがほとんどない(膣内は無痛、外陰部は麻酔クリーム使用)
  • 施術時間が数分(麻酔含め所要時間1時間程度)
  • 施術直後から日常生活の制限なし
  • 当日の入浴と3日間の性交は控える
  • 副作用ほとんどなく、長期的なトラブルもなし
  • 1回でも効果はあるが、1か月ごと2~3回追加で効果が延びる

治療効果(外陰・膣症状)

治療効果(尿路症状)

更年期時のその症状、GSMかも…?!

  • デリケートゾーンの不快感(乾燥・ヒリヒリ・かゆみ)
  • 尿トラブル(頻尿・尿失禁・くりかえす膀胱炎)
  • 性交時トラブル(性交時のうるおい低下・性交痛)

気になる方は、遠慮なくご相談ください。